設立趣意書

今日の日本の繁栄は、各分野における科学の絶えまない研究によって、わが国の産業経済を高度に発展させた結果であり、その基盤となったわが国の教育水準の高さに負うところ大である。

この技術立国の道こそ、わが国の選ぶ最善の方途であり、日本が技術先進国として世界に貢献するという使命を果たすうえにはより高度な研究開発が、各分野で進められることが要望される。

しかしながら、今日、限られた研究費をもって困難な研究を続けている研究者が、多く見られる現状にある。

よって、当財団は、自然科学(特に電気及び機械工学)及び人文科学の研究機関あるいは個人の研究を助成し、学術の振興をはかり、わが国の科学の発展に寄与したいと考える。

当財団設立発起人、樫尾茂、樫尾忠雄、樫尾俊雄、樫尾和雄、樫尾幸雄らは、昭和25年頃、欧米の優れた電動計算機に接し、これに優る日本の計算機を開発しようと決心した。機械加工の町工場を経営する傍ら零細な事業の中から研究費を捻出し、ひたすら計算機の開発を進め、昭和32年、遂に世界に類例のない電気式(リレー式)計算機を完成させるに到った。その後のわが国の計算機の発展は、目を見張るものがありその一翼を担えたことは誠に幸いと思う次第である。

このような創業時における研究を回顧し、今日まで30余年に亘り、自ら技術に挺身してきたものとして、わが国の科学の隆盛を切に望み、相寄り基金を捻出しここに、財団法人 カシオ科学振興財団を設立し、広く社会に貢献したいと考えるものである。

昭和57年6月1日 設立発起人 樫尾  茂
樫尾 忠雄
樫尾 俊雄
樫尾 和雄
樫尾 幸雄

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