平成30年度助成内容決定

カシオ科学振興財団
第36回(平成30年度)研究助成 決定
合計45件・総額7,268万円

公益財団法人カシオ科学振興財団〔理事長：樫尾隆司〕は、平成30年度の研究助成として、合計45件・総額7,268万円を決定いたしました。

カシオ科学振興財団は、カシオ計算機株式会社の故・樫尾茂初代会長とその息子である四人の兄弟が発起人となって基金を拠出し、我が国の学術研究の発展と振興に貢献するため、1982年に設立しました。
本年度も、「特に萌芽的な段階にある先駆的かつ独創的研究を助成すること」を主眼に審査をおこない、313件の応募の中から選考の結果、下記の通りに本年度の研究助成を決定いたしました。

募集期間：平成30年4月11日～5月31日
応募総数：114大学より313件

選考にあたっては、全国の大学から15名の先生方が選考委員を務め、日本の産業における今後の重要度や独創性を審議した結果、45件の研究テーマが選ばれました。

特別テーマに関しましては、昨年度に引き続き、「地球環境を課題とする問題解決に向けた研究」というテーマで、本テーマに選ばれた研究への助成額は最大500万円といたしました。

特別テーマ

• 東北大学大学院理学研究科 助教 高柳栄子
  「北西太平洋中緯度域の亜熱帯モード水の規模および物理・化学的性質の時間変化と炭素循環における役割」
• 名古屋大学宇宙地球環境研究所 助教 中島 拓
  「ミリ波ラジオメータによる大気微量分子観測に基づく北極域オゾン層破壊メカニズムの解明」
• 名古屋大学トランスフォーマティブ生命分子研究所 特任准教授 村上 慧
  「干ばつ地域の農業を可能にする気孔制御分子開発～有機反応化学からのアプローチ～」
• 奈良女子大学研究院自然科学系 助教 本田裕樹
  「微生物の細胞表層への金属硫化物半導体自己形成能を利用する無機―生体ハイブリッド光触媒反応」
• 九州大学大学院医学研究院 准教授 橋口隆生
  「情報科学的アプローチによる抗感染症薬の基礎開発」
• 高知工科大学システム工学群 教授 大内雅博
  「物質循環サイクル確立による林業と木質バイオマス発電活性化のための地還型自己崩壊コンクリートの開発」
• 関西大学システム理工学部 教授 伊藤 健
  「ナノ構造により発現する抗菌メカニズムの解明とその抗菌原理を用いた抗菌シートの創成」

以上7件の研究に対し、3,474万円の研究助成金の贈呈を決定いたしました。

基本テーマ

東北大学大学院工学研究科 助教である栗田大樹氏による「in-situ法によるTi内部へのナノTiBウィスカの低コスト析出技術開発と複合材料特性解明」など、計38件の研究に対し3,794万円の研究助成金の贈呈を決定いたしました。なお、上記の助成金贈呈式は、来る12月7日、カシオ計算機株式会社・本社（東京都渋谷区）にてとりおこないます。

募集対象研究分野（21分野）

また今回、下記の特別テーマを設けています。

特別テーマ

地球環境を課題とする問題解決に向けた研究